富士登山(その2)

8合目まではわりと余裕で、ここでチョコバー、おにぎりを食べる。本当に美味しかった山小屋の味噌汁(400円…)をいただく。ただ、会社の富士登山に行った子たちに聞くと「8合目から先が絶望的に長く、苦しいですよ」と脅されていたのであるが、本当に長かった。まず8合目から本8合目までが長いのだ。岩場だと手を使いながらスパイダーマンのように上れるので、むしろ楽。問題はゆるやかな登りで、砂礫の道がずるずる滑り、そのたびにふくらはぎに全体重がのしかかる。これはきつい。
山岳ガイドのお兄さんは足を逆八の字にして半歩ずつこまかくステップを踏みながら登っていたのでまねをすると、これが全然滑らずに登れる。ノウハウはあるんだなぁと感心した。

その後も岩場が出現し徐々に薄くなる酸素に高山病の危機を感じ取るも、本8合目まではスムーズに到着。ここからなんかガスって来て、霧雨が出てくる。でももう頂上も見えてきたしということで、最後の岩場の登りに挑戦。
しかし、ここからご来光目当てで山小屋から出てきた人たち、須走ルートで来た人たちを含めて、ものすごい渋滞が始まる。まったく動かないのよ。岩場が多いし、体力にはそれぞれ差があるから渋滞が起きるのはしょうがないんだけど。特に9合目付近からはほとんど動かないまま30分ほどを過ごした。
その間に高山病の症状が出てきた。水をがぶ飲みすればいいよということだったのであるが、1.5L入れてきた背中のハイドレーション(キャメルバッグ、背中からチューブで吸うタイプ)が底をつき、予備のVittel750ml入りしかなくなってしまった。
具体的にどんな症状が出てきたかというと。。

  • 心臓の鼓動が高まる
  • 頭が痛くなる
  • 思考がぼんやりして、複数のことを考えられなくなる
  • 眠くなる
  • 吐き気

といったもので、しばらくは何かにつかまったり、寄りかかったりしながら休み休み。でも頂上の鳥居(弊社奉納)が見えてきたらもう一気に行ってしまいました。なんとかご来光(4時50分)の前に間に合った。とりあえず今回の登山集団でも1番乗り。22時30分に登り始めて着いたのが4時30分だから、ちょうど6時間で登ったことになります。

頂上ではおしるこを食べていったん暖まりましたが、それにしても風雨が強く(下記の山頂からの中継ビデオ参照。ドコモは3本立っているので、Android携帯で全世界に中継できちゃうのだ。すごい…)、冷たい風に打たれて汗に濡れた服から一気に体温が奪われた。このビデオを撮影している時間が20分くらいあって、その間ずっと素手でカメラを保持しながら高台に突っ立っていたので、それもやばかった。

要するにその1で書いたゴアテックスジャケットを選択しなかったことのツケがここで回ってきたわけだ。
極地用のフォークランドパーカはそれ単体では強力に暖かいのだが、コットンのパーカとナイロンのキルティングインナー双方が汗と霧雨で両方濡れてしまい、それらを遮るものがアウター(ゴアテックス)インナー(フリース)双方欠けていたのね。実はフリースは持っていたのだけれど、ジャージ1枚で来るというアホ後輩に貸してしまっていたのだ。。。アホ後輩め!プンプン 雨具は雨よけであると同時に風よけにもなるわけで、その重要性を理解しないからこういうことになったわけである。いやあ、装備は怠ってはいけません…

その後下山を開始するも、完全に体温が奪われて低体温症の初期症状を発症して、高熱はでるわ(防衛本能ですね)力は入らないし言葉は弱々しいという状況にいたり、一緒におりてた後輩がフリースを貸してくれて、濡れた上着と交換し、なんとか持ち直し。


降りている途中は雲海を突っ切るので、このような幻想的な風景が広がりかなり感動。ご来光は見られなかったんだけどね。

いつまでも続くつづら折りに心が何度か折れそうになったものの、ぴょんぴょん走り飛びしながら2時間半ほどで下山。ただ、この過程でかなり太ももの前側の筋肉と腰まわりの筋肉に負担がかかった。

それにしても心配していた怪我(捻挫とか膝とか)をしなくて良かった。しばらく麓で休んで、温泉に移動して入浴、昼食、午睡をして体力も回復。無事全員怪我もなく帰京できたのは何より。

  • 体重:80.0kg

温泉で計測したところ、マイナス300gだった。。。
もっと減っていると思ったんだけどね。